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育成クラブと呼ばれるのは GK大迫を育てた広島の眼力

(30日、Jリーグ 広島2―2鹿島)


広島が育成クラブたるゆえんは、選手を育てるべき時と突き放すべき時を知っているからだ。


日本代表GK大迫は南米選手権の疲労もあり、ベンチ外となった。19歳に代わってゴールを守ったのは、36歳の林。優勝した2015年の主力は腰痛で出遅れ、今季初出場だった。


代表入りで浮かれられては困る。足立強化部長は「代表から戻っても、ポジションが空いているわけではない。うちのGK陣は甘くない」。同じく南米選手権メンバーのMF松本泰とともに改めて先発争いを促した。


チームが降格争いに巻き込まれた17年。林が腰痛で精彩を欠いたことも不振の要因の一つだった。だが、当時の幹部は「即戦力の中堅を連れてきたら、大迫が伸びてきたときに出場機会を奪ってしまう」と、GKの安易な補強を否定した。


目の前の成績に一喜一憂せず、数年先を見通す。だからこそ、大迫は育ったと言っていい。「今、ユースにいいGKがいるんだ。日本代表になると思うんだよ」。3年前、足立部長がうれしそうに語っていたことが現実になっている。(吉田純哉)


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