経営再建中の液晶パネル大手ジャパンディスプレイ(JDI)は12日、社長執行役員兼最高経営責任者(CEO)の月崎義幸氏が業績低迷の責任を取って9月30日付で辞任すると発表した。後任には菊岡稔常務執行役員が10月1日付で昇格する。JDIが上場した2014年3月以降、トップの交代は4回目となる。
東入来信博氏の病気療養によって空席になっていた会長には、社外取締役の橋本孝久氏が就く。月崎氏は7月以降に開く予定の臨時株主総会で代表取締役も退く見通しだ。
月崎氏は18年6月に副社長から社長兼最高執行責任者(COO)に昇格した。今年5月からは、CEOも東入来氏から引き継いだ。
JDIは12日、国内の従業員の約25%にあたる1200人の希望退職を募ることも発表した。白山工場(石川県)を7月から9月まで停止し、茂原工場(千葉県)の一部ラインを9月に閉鎖する。苦戦しているスマートフォン向け液晶パネル事業を縮小し、車載向けパネル事業の強化で業績改善をめざす。
債務超過の寸前まで追い込まれているJDIは5月30日、出資の受け入れ交渉をしている中国・台湾の企業連合が今月14日までに出資に必要な手続きをとる、と発表したが、最大800億円の金融支援をめざした交渉はなお続いている。(笹井継夫)