データによると、ロケットサービスの注文受付がスタートして5分で800人以上が50万元の手付金を払うボタンを押し、購入先リンクが表示されて数秒後に「終了」が表示された。最終的に長光衛星技術有限公司が購入合意に至りこのロケット打ち上げサービスと関連のブランディングサービスを手に入れた。
同日午後10時17分、淘宝ライブ配信ロケットEC事業部は公式微博で、「4千万元のロケットサービスは売り切れました。これはECの歴史の中でロケットを販売した初めてのケースでもあります」と発信した。
曹さんの説明によると、「ロケット売り上げサービスには、キャリアロケット『快舟1号A』(KZ-1A)による打ち上げサービス1回、事業の命名権、ロケット本体と打上げ用ロケットの機体広告、協力パートナーへのライセンス授与、打ち上げ現場への立ち会いと見学交流イベントの実施などが含まれる。ロケットに何かペイロードを搭載したい場合には、関連当局による厳格な審査を経て承認を受ける必要がある」という。
また説明によれば、今回の打ち上げサービスは「快舟」シリーズのキャリアロケットによって実施される。「快舟1号A」は、中国航天科工運搬技術研究院が開発した3段式固体燃料キャリアロケットで、全長約20メートル、最大直径は1.4メートル、地球低軌道での最大積載量は300キログラム。20年3月31日までに、同シリーズで11回の打ち上げを成功させている(うち8回は商業打ち上げ)。
言及すべきなのは、今回のライブコマースによるロケットサービスの販売により、多くの中国宇宙産業関係者が強く感激し、航天科工の微博アカウントへ次々メッセージを寄せたことだ。たとえばこんなメッセージがある。「商業宇宙活動にとって、今夜は記念的意義がある。航天科工がこれほど大胆に商業化ルートを探ってくれたことに感謝する。私たちは宇宙が手で触れられる身近なものになるよう一緒に頑張ろう」。
曹さんは、「国の宇宙分野トップの環境はまだ少し保守的で、多くの人が宇宙は先端的だと考え、敬遠している。商業宇宙活動の生存領域は狭く、当社はずっとブレークスルーを試みてきた。当社はこれまでにも多くの似たような試みを打ち出してきた。たとえば昨年初めには作家の劉慈欣氏とその作品『流浪地球』(さまよえる地球)の映画版との提携による宣伝を模索し、騰訊(テンセント)と一緒に打ち上げのライブ配信を行ったこともある」と述べた。
実際、商業宇宙活動はここ数年の間に徐々に発展している。イーロン・マスク氏が手がける宇宙輸送サービス会社のスペースXが次々に情報を発信している頃、中国の商業宇宙活動では15年前後に大きな波が起きた。それからわずか3年で政策と市場が良好な相互作用を維持し、ますます多くの中国企業が深遠で広大な宇宙をビジネスチャンスを秘めた宝庫と見なすようになった。
企業情報サイトの天眼査のまとめたデータによると、大まかな統計では、中国には現在、商業宇宙活動に従事する企業が50社以上あり、有名なところでは藍箭航天(LandSpace)、零壹空間(OneSpace)、北京深藍航天などがある。北京市にある企業が最多で、次は広東省と湖北省だ。創立時期は15年と16年が最も多い。
今年は中国宇宙の豊作の年と言われ、宇宙産業は「スーパー2020」を迎える見込みだ。中でも商業宇宙活動が新たなチャンスを迎えることが予想される。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年4月3日