中国航天科技集団有限公司第五研究院が開発を担当した次世代有人宇宙船試験船帰還モジュールが8日、予定エリアへの落下に成功し、試験船飛行任務が無事に成功したことを示している。新華網が伝えた。
次世代有人宇宙船とは、中国の全面的なアップグレード版の宇宙往還機で、宇宙飛行士を地球から400キロ近く離れた中国の宇宙ステーションに送ることも、38万キロ離れた月に宇宙飛行士を着陸させることも、さらにより遠い星の探検に向かうこともできる。人とモノを運ぶことができ、再利用でコストを削減し、中国有人宇宙往還能力を大幅に高める。
今回順調に任務を完遂したのは次世代有人宇宙船の「試験モデル」だ。専門家によると、今回の試験を行った新型宇宙船は、次の3つのキーワードによってまとめることができる。
(1)より快適で安全。宇宙船は大型で、宇宙飛行士を6−7人乗せることができる。定員3人の有人宇宙船「神舟」と比べると、直径が60%増、トン数が175%増、船内スペースが140%増となっている。宇宙船の「コクピット」の広さは神舟の倍で、作業エリア、娯楽エリア、食事エリア、衛生エリアに分かれる。宇宙飛行士により快適な乗船環境を提供する。さらにここには生活娯楽大型ディスプレイが設置され、宇宙飛行士の宇宙旅行がより彩り豊かになる。ウェアラブルディスプレイを使うことで、宇宙飛行士は宇宙船の健康状況を常に把握できる。
(2)よりスマートで自動的に。試験船が軌道に乗ると、「宇宙船ブレイン」のGNCシステムが飛行ルートを自動決定するとともに、ナビゲーションを行う。さらに宇宙船の現在の位置と速度をリアルタイムで把握できる。分かりやすく言えば「宇宙船ブレイン」は宇宙船が現在どこにあるか、これからどこに向かうか、どのルートならば最速で目的地に到達できるかを知ることができる。こうした能力があれば、宇宙船のGNCシステムは地上に依存せず、独自に飛行を制御できる。
(3)より高いコストパフォーマンス。多機能使用を実現するため、宇宙船は「積み木型」のモジュール化設計を採用し、任務によって、同じ帰還モジュールと異なるサービスモジュールを組み合わせることで行うことができる。言い換えれば、宇宙飛行士は宇宙船を操縦し、地球から400キロ離れた宇宙ステーションを訪問すると同時に、帰還モジュールを変更せず「新たな鎧」に着替え、動力がより大きなサービスモジュールを取り付けることで月を訪問するかより遠い深宇宙をめぐることができる。宇宙船全体のモジュール化が可能なほか、帰還モジュールもモジュール化設計が可能だ。こうすることで新型宇宙船は「バス」と「トラック」の切替が可能になる。宇宙飛行士を楽々と宇宙ステーションに送り込むことができるだけでなく、宇宙ステーションに大量の物資も補給できる。または宇宙技術者が宇宙ステーションで行った試験の試料を地球に持ち帰ることもできる。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年5月11日