湖北省武漢市の武昌水果湖歩行街にある理髪店の入口で6月10日昼ごろ、白髪交じりの老人が、突然気を失って倒れた。一体何が起こったのかと野次馬が集まってきたものの、老人に歩みよろうとする人はいなかった。その時、身長180センチほどの長身の若者が、「私は医師です!」と声を上げながら老人のもとにやって来ると、すぐさま老人に心臓マッサージを始め、胸部へのマッサージと同時に人工呼吸も施し、その救命措置はおよそ10分にも及んだ。長江日報が伝えた。
ただ残念なことに、その老人は、病院に運ばれた時にはすでに息を引き取っていた。記者は10日午後、この若者と連絡を取ることができた。名前を呉亦凡さんといい、武漢大学第二臨床学院の博士課程学生で、2年後に卒業予定という。「あの時は、本当に急を要していた。あれこれ考える暇はなかった。人の命より重要なものなどない」と呉さん。「救命措置のあと、周りにいた親切な人々が、水やティッシュペーパーを差し出してくれたことには非常に感動した」と彼は続けた。(編集KM)
「人民網日本語版」2020年6月12日