曹大龍さん(33)は北京のインターネット会社の技術者で、労働強度の高い仕事のせいで抜け毛がどんどん深刻になり、昨年ついに植毛に踏み切った。「自分が選んだのはFUE法(メスを使わない自毛植毛法)で、毛包単位一つにつき植毛料金は10元、3千単位を植毛したので、3万元ほど使ったことになる」という。
取材を通してわかったのは、「抜け毛経済」は盛んだが、新型コロナウイルス感染症がカツラ産業と植毛産業にもある程度の影響を与えたことだ。
一部のカツラメーカーは、「感染症の流行中に工場の在庫が深刻な不足状態に陥り、仲介業者が商品を引き取りに来ても手ぶらで帰ってもらうしかなかった」とする。山東省のカツラメーカーの関係責任者の陳さんは、「昨年上半期には、通常規格の商品はいつも品不足で、出荷のペースにも納品のペースにも影響が出た」と振り返った。
商品が不足した背景には、生産が追いつかない状況があり、その原因は人手不足だ。陳さんは、「感染症が深刻な時期には、従業員を休ませるしかなく、その結果従業員の流出率が高くなった。人手不足は今も続いており、ずっと求人を出し続けている」と話した。
感染症の流行中に、カツラを販売するオフラインの実店舗は大きな影響を受けたが、このことがオンラインチャネルの発展を促すことにもなり、企業の中には売上が大幅に増加したところもあった。また感染症の流行中には、カツラが思いがけず輸出ECで奪い合いになる人気商品になった。越境ECプラットフォームをみると、欧米などの主要市場でカツラ取引額が昨年4月の倍近く増加した。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年1月15日