日本代表は22日、福島・Jヴィレッジで地元の湯本高と練習試合を行い、12―0で勝った。国内合宿も5日目。焦点の一つになっているMF中田英(ボルトン)と周囲の連係は、チームメートと本人の努力が続いている。
「パス回しを速くすることを心がけた。疲れで体も重く、僕も含め集中力が欠けていた」と中田英は試合を振り返った。
高校生相手ということもあり、試合の出来よりは合宿全体で何が生まれるかがポイントになる。中田英は股関節痛などのブランクがあり、ジーコ監督就任後の出場は25試合と半分以下。連係作りは「話をしていくしかない」ときっぱり言う。
DF陣は合宿中、何でも1人でやろうとしすぎるな、ということを中田英に伝えている。
前日の守備練習では、宮本(ガ大阪)から「前に出過ぎるな」と声がかかった。中盤で自分がどんどん当たりにいかず、まずは中央のスペースを埋め、味方に当たりにいかせるか、相手が侵入してきた時に当たってほしいという意図だ。
中沢(横浜)は「DFラインに吸収されないように」と言う。攻め込まれた時、危ないからと中田英が下がりすぎると、球を奪った後の攻め味が鈍る。守りの最後はDFラインに任せてほしいという指摘だ。
そんな要求に、中田英も「具体的に指示を出してくれ」と答えていた。
練習以外のコミュニケーションこそが大事だと感じるのだろう。練習後、いつも1人でストレッチをする中田英に、中沢や宮本が近寄って談笑する光景もみられるようになっている。