○巨人2-0阪神●
巨人が内海の好投で1カ月ぶりの連勝。二回に李スンヨプの26号ソロで先制し、七回には相手の連続失策で貴重な追加点を挙げた。内海はプロ初完封で6勝目。阪神は打線がつながらず、守備の乱れも響いて、力投した井川を援護できなかった。
▽巨人・原監督 (月が変わってツキも変わったか、ときかれて)まだ2試合じゃあね。あと20数試合ずっとツキがあるんならいいけど。
◇2人の左腕の投手戦、24歳内海が勝った
阪神はエース井川、巨人は3年目で伸び盛りの内海。2人の左腕が演じた息詰まる投手戦は、24歳の内海が勝った。
中4日での先発に「五回まで」のつもりが尻上がりによくなって「七回まで」と変わり、結局は散発3安打、三塁を踏ませず投げ切った。七回の巨人の2死満塁の加点機にも「内海に代打を出すつもりは毛頭なかった」(原監督)とまで信頼された、
唯一のピンチは四回の無死一、二塁。浜中をひざ元への変化球で見逃し三振に、矢野はスローカーブで併殺打に仕留めた。だが変化球が効果を持ったのは、直球のキレがよかったから。スピードこそ井川には及ばないが、手元で伸びた。「一番よかったのはまっすぐです」と本人も満足だ。
「社会人(東京ガス)でも経験ないから高校(敦賀気比)以来」という完封を「めちゃくちゃ、うれしい」と素直に喜んだ。それはそうだ。原監督が試合前「きのうの(連敗を止めた)勝ちは意義があるが、きょうのゲームはいっそう意味を持つ」とゲキを入れて臨んだ試合だった。
連敗中は内海も「お先真っ暗で気持ちの切り替えが大変だった」と振り返った。自らも5月までにぽんぽんと五つ勝ったのに、その後は好投しても白星から見放されていた。「やることさえやれば、いつかは結果がついてくる」と自分に言い聞かせたことが、プロ初完封のおまけつきで現実になった。【冨重圭以子】
○…巨人・李スンヨプの4試合ぶりの一発は、珍しく左へ飛んだ。カウント2-3だったため「ストライクゾーンを広めにして、低めのボール球に手を出さないようジャストミートを心がけていた」と外角速球にコンパクトに対応した。10連敗中は「言葉にできないほど大変だった」と振り返った李。高橋由、阿部という主力も復帰して、肩の荷が軽くなった4番のバットから、ますます快音がきかれるかもしれない。
毎日新聞 2006年7月2日 21時08分 (最終更新時間 7月2日 21時57分)