◇タイトルより出塁率--青木宣親外野手(ヤクルト・25歳)
「素振り」こそがバットマンの基本なら、さしずめ良き手本。とにかく、よく振る。今キャンプでは1日1000スイングを自分に課した。さぞ手のひらはマメだらけ、と思いきや、「意外にできないんです」ときれいな手を見せた。「年々、マメができにくくなっている。プロらしい体になったのかな、と思います」。こんなところにも充実ぶりが表れている。
プロ2年目の一昨年、イチロー以来の200安打(202)を放ち、首位打者と新人王を獲得。昨季は2年連続200安打こそ逃したが、最多安打と盗塁王の2冠に輝いた。年俸も今季は1億4000万円(推定)と、2年前の14倍にまで跳ね上がった。
最多安打、首位打者、盗塁王ときて、今季はどのタイトルにこだわる?と尋ねると、「出塁率です」と意外な答え。「僕が出塁して盗塁すればチャンスが生まれる。だから出塁率」。そのために今キャンプでは、選球眼を磨くことを重視しているという。
「投手はボール球を振らそうとする。それを見極めたい」。しかし四球が増えると相対的に安打数は減るのでは? 「仕方ない。チームにとっては良いことですから」。1番打者の本分を忘れてはいない。【神保忠弘】
毎日新聞 2007年2月18日 東京朝刊