○ロッテ7-3ソフトバンク●
ロッテが連敗を6で止めた。二回に青野の満塁本塁打で4点先取。2点差まで詰め寄られた七回に代打・辻の左翼線安打などで2点加え突き放した。小野は5勝目。ソフトバンクは田之上の乱調が誤算で、連勝は4でストップした。
▽ロッテ・バレンタイン監督 (6連敗を脱出し)どんなよいチームでも長いシーズン、少なくとも長い連敗が2度ほどあるものだ。でもいいチームであれば抜け出せる。うちももちろんいいチーム。今まで以上に力強い形で進んでいけると思う。
▽ソフトバンク・王監督 16安打も打たれたら仕方ない。(先発の田之上が)あのスピードで、制球が悪いとね。向こうはきちんとつないでいて、点差以上に内容は一方的だった。
▽ロッテ・小野 (1カ月ぶりの勝利) チームは6連敗してましたし、これだけたくさんのお客さんがいるし、絶対負けられないと思っていました。サト(里崎)がいいリードをしてくれた。
◇つかの間?の単独首位…ソフトバンク
ほぼ3カ月ぶりで単独首位に立ったソフトバンク。ただ、王監督は「まぁ、つかの間かもしれん。この戦力だし」と達観する。それほど波に乗り切れないチーム。この日も先発が早々と崩れ、厳しい戦いを強いられた。
17年目のベテラン、田之上を、監督はこう評した。「あのスピードでは緩急をつけ、しんを外して打たせることを考えないと。(打順)一回りまでは大丈夫だが……」
だが、その一回り目でつかまった。生命線の制球がまったく定まらず、置きに行って打たれる悪循環。一回、西岡にいきなり左前にクリーンヒット。大松にも左前打で続かれたが、ここは西岡の「暴走」にも助けられ、何とか無失点で切り抜けた。
だが二回、先頭の里崎を四球で出すと一気に崩れた。フランコ、今江に連打を浴び、青野には抜けたフォークを右中間に運ばれ満塁本塁打。結局、3回を投げて10安打。5失点で済んだのが不思議なぐらいだった。【錦織祐一】
○…決定打不足で連敗中のロッテに「満塁男」が誕生した。先月14日にプロ6年目で初めて放った本塁打が満塁弾だった青野。「プロ2号」もまた満塁本塁打で、チームに貴重な先制点をもたらした。
二回無死満塁から、ソフトバンク・田之上の直球にしっかりバットを合わせ、ロッテファンであふれかえる右中間スタンドへ。本人は本塁打を狙っていたわけではなく、無死だったこともあり「とにかくアウトになりたくなかっただけ」と振り返った。「2本目も満塁(の場面)で打てて、自分が一番驚いています」。23歳の「満塁男」は、喜びと驚きで目を輝かせていた。
○…ソフトバンクの反撃は、派手な連発から始まった。ロッテ・小野に無安打に抑えられていた四回2死、まず松中がカウント1ストライク3ボールから、小野の低めの変化球をすくい上げて右越え15号ソロ。さらにズレータが外角のスライダーをうまく流し打ちし、右中間へ16号。2人の連続本塁打は今季2度目で、松中は「このまま状況で試合が進むのは何とか避けたかった」、ズレータは「これで相手の勢いは止まったと思う」。ズレータは七回にも今季初の2打席連続本塁打を放ち、追い上げた。
毎日新聞 2006年7月1日 21時32分 (最終更新時間 7月1日 22時03分)