07年春闘の労使交渉は電機、自動車の主要業種で2年連続の賃上げが実現する見通しとなった。電機大手各社は6日、昨年実績と同額の月額500円の賃金改善を容認することを決定。業績好調な企業では、同1000円で妥結する可能性もある。自動車でも、トヨタ自動車の労組が昨年実績と同額の1000円を確保できる公算。14日の集中回答日に向け、各労組とも一層の上積みを目指して詰めの交渉に入る。
電機大手で500円の賃金改善を容認したのは▽日立製作所▽松下電器産業▽東芝▽三菱電機▽シャープ▽NEC▽富士通の大手7社。ただ電機業界は業績のばらつきが目立ち、各社の個別判断で、賃上げ額を増額することも併せて容認した。労組側の要求は2000円だが、1000円をストライキの回避基準として終盤交渉に臨む方針で、業績好調な松下や三菱電機などは1000円で妥結する可能性がある。
電機大手の春闘交渉は労組側、経営側ともに業界横並びの統一要求・統一回答方式が慣行だったが、昨年の春闘で富士通など2社が1000円を回答し、初めて同方式が崩れた。
一方、自動車ではトヨタ労組が昨年より500円多い1500円の賃金改善を求めている。ただ経営側の態度は硬く、2年連続で満額回答が勝ち取れるかどうかは微妙な状況だ。
毎日新聞 2007年3月7日 3時00分