アメリカのオバマ大統領が、失業率が2ケタになるなどの雇用情勢の悪化を受けて、中小企業向けの減税など新たな雇用対策を発表しました。
「やるべきことは、まだたくさんある。荒波にもまれている人々を助けられるような速さで、まだ雇用は創出されていない」(オバマ大統領)
8日、ワシントン市内で経済演説を行ったオバマ大統領は、まず、政権発足後の経済危機対策によって「1年前とは違う状況になった」と、その成果を強調しながらも、失業率が10%に達したことを受け、「緊急に雇用を創出する必要がある」と表明しました。
そして、具体的には、中小企業向けの減税や、道路や橋などのインフラへの公共投資、さらにエネルギー効率化投資などの追加的な雇用対策をとる方針を明らかにしました。
財政赤字がすでに過去最大の水準に達していることから、その財源についてオバマ大統領は、銀行への資本注入など、金融危機対応に用意した資金枠が2000億ドル、18兆円以上残っているとして、その枠から転用したいとの考えを示しました。
しかし、資金の転用には新たな立法措置も必要で、議会共和党からは「代わり映えのしない支出を増やすよりも、借金返済にまわすのがスジ」と、早くも反対の声が上がっています。(09日10:21)