栃木県さくら市教育委員会は10日、市立中の50代の男性教諭が中学2、3年の社会科の授業で、「イスラム国」を名乗る過激派組織がフリージャーナリストの後藤健二さんを殺害したとされる際の動画や、遺体が写った画像を生徒に見せていたと発表した。
教諭は2日、計3クラスで、組織がインターネット上に投稿した映像からダウンロードした静止画や動画を、教室の電子黒板や私物のスマートフォンで見せた。一部はモザイクがなかった。
画像を見た生徒は約75人。体調不良を訴えた生徒はいなかったという。男性教諭は「時事問題に興味を持ってほしいと思ったが、配慮が足りなかった」と話し、9日に生徒に謝罪したという。
市教委はスクールカウンセラーを増やし心のケアに当たる。岡田正教育長は「配慮が欠けた不適切な指導で、生徒の心理的ストレスが懸念される」と謝罪した。
下村博文文部科学相は10日の記者会見で「教育現場で配慮がなされないのは、あるまじきことだ」と批判した。〔共同〕