千葉県柏市の寝具販売会社「まくら」が今春の商品化を目指して、県特産の落花生の殻を中に詰めた枕の開発を進めている。同社は消臭効果が高いことなどに着目。大半が捨てられている殻を有効利用することで、エコや地域おこしにもつなげたい考えだ。
同社はインターネットを通じた販売のほか、当たっても痛くない「枕投げ専用枕」などオリジナル寝具の企画や製造も手掛ける。新たな目玉商品を模索していた際、落花生の殻に高い消臭作用があるとの研究結果を見つけ、枕を試作したところクッション性や熱発散性にも優れていることが判明。商品開発を本格化させた。
詰め物の素材には、細かく粉砕して洗浄した殻を使っている。殻の収集、枕の加工や組み立てなど一連の作業はすべて県内の農家や企業、施設の協力を得て実施し、商品価格は5千円程度を想定。現在、アレルギーテストや、快適な睡眠のために必要な殻の量の分析などを続けている。
「落花生枕」の製造過程は地域活性化にもつながるとして、2014年7月に国から「地域産業資源活用事業」の認定を受けた。同社の河元智行社長(39)は「殻の活用で特産品である落花生の価値向上にも貢献できればうれしい」と話している。〔共同〕