【ロンドン=黄田和宏】17日の欧州金融市場では、ギリシャ政府の資金繰りを懸念してギリシャ国債に売りが広がった。取引の多い2017年7月償還の国債利回りが一時、前日に比べて約2%高い19%台後半に上昇し、10年債も1%高い10%台後半をつけた。先週につけた欧州債務危機後の最高水準には達していないが、高止まりが続いている。
金融支援の期限が2月末に迫っており、ギリシャ政府と欧州連合(EU)との交渉難航で「ギリシャがユーロ圏から離脱するリスクが高まった」(英キャピタル・エコノミクス)との声が広がっている。
ギリシャの株式市場では、代表的指数のアテネ総合指数が一時5%近く下げたほか、預金流出の懸念で銀行株指数は1割近く下げた。売り一巡後はいずれも一時上昇に転じ、方向感が乏しくなった。「週内に間に合わないリスクはあるが、ギリシャは最終的に支援の延長を要請する」(スイスUBS)とみる市場関係者はなお多い。