全国の警察が昨年1年間に摘発した金銭などを搾取する目的で、強制的に売春や労働をさせる人身取引事件は、32件(前年比7件増)の33人(4人減)だったことが19日、警察庁のまとめで分かった。
摘発したのは8都県警。保護した被害者は24人(7人増)に上った。いずれも10~30代の女性で、中学生が3人、高校生も2人いた。
インターネットの掲示板や交流サイトで、援助交際を持ちかけた少女と警察官が身分を隠してやりとりし、実際に会って注意や指導をする「サイバー補導」を通して被害が判明した例も1件あった。このケースでは、滋賀県の高校1年の少女が無職の男らによって売春をさせられていた。
サイバー補導は静岡県警が2009年から先行実施し、13年10月から全国で導入されている。
警察庁の担当者は「援助交際をしている少女を見つけた際にただ補導するだけでなく、背景事情まで正確に把握するように努め、人身取引事件の取り締まりを強化したい」としている。
強要された被害の内訳は、売春など性風俗の仕事が14人、ホステスが7人、結婚や愛人が3人だった。〔共同〕