厚生労働省は20日、昨年の通常国会で成立した改正労働安全衛生法に条文の誤りがあったと発表した。「労働者の健康」とすべきところを、「労働省の健康」としていた。厚労省は19日付で当時の担当課長を厳重注意処分にして、20日の官報に正誤表を載せて訂正した。厚労省では昨年から条文や資料のミスが相次いでいる。
ミスがあったのは、企業にメンタルヘルス対策を義務付ける条文の文言だ。昨年12月に法令集を発行する出版社から指摘があって発覚した。2カ月かけて関係議員の説明に回ったという。
厚労省では昨年の通常国会でも、労働者派遣法改正案で「1年以下の懲役」とすべきところを誤って「1年以上」とした。医療介護総合推進法の趣旨説明の資料では、他の法律の説明文をコピーしたまま消し忘れていた。野党が反発して、国会審議に遅れが出た。厚労省は昨年6月18日に幹部職員を処分して、全ての法案を再度チェックするように指示をしていた。