【ロンドン=黄田和宏】20日の欧州金融市場では、ユーロ圏財務相会合の結果を見極めたいと様子見ムードが強まった。ギリシャの3年物国債の利回りは17%台、10年債利回りも10%台の横ばい圏で推移した。ギリシャの株式市場では金融支援延長への期待から、代表的指数のアテネ総合指数が1月下旬の総選挙前の水準を上回って推移した。
市場関係者の間では、今回の会合で合意が成立するのかどうか見方が分かれている。英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドのミカエル・ミカエリデス氏は「ギリシャ側の譲歩により妥協案が成立する可能性が高い」とみる。ギリシャが労働市場の改革などを確約することを条件に、基礎的財政収支の黒字目標の引き下げなどが決まる可能性があるという。
一方、「2月末の期限直前まで交渉が長引く可能性がある」(英バークレイズ)との見方があるほか、ドイツなどの強硬な反対により、ギリシャがユーロ圏から離脱する確率はなお高いとの声もある。
その場合、金融市場の混乱は避けられず、「市場は離脱のリスクを過小評価している」(英キャピタル・エコノミクスのケビン・フェリター氏)との指摘もある。