韓国の大韓航空を傘下に収める財閥「韓進グループ」の趙亮鎬会長一家のパワハラを糾弾する集会=4日、ソウル、牧野愛博撮影
韓国の大韓航空を傘下に収める財閥「韓進(ハンジン)グループ」の趙亮鎬(チョヤンホ)会長一家のパワハラを糾弾する集会が4日夜、ソウル中心部の光化門(クァンファムン)であった。社員たちは会社に個人が特定されないよう仮面をかぶって集まり、市民らも合流して100人以上が「会長は退陣しろ」「基本的な人権を保障しろ」と訴えた。
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一家をめぐっては、長女の趙顕娥(チョヒョナ)・前KALホテルネットワーク社長が2014年、米ニューヨークの空港でナッツの出し方に激怒。搭乗機を引き返させたとして有罪になった。妻の李明姫(イミョンヒ)氏にも、系列ホテルの増築工事現場で作業員に暴行した疑惑が浮上。関税庁は、一家が税関に申告せず国内に高級ブランド品を持ち込んだ関税法違反の疑いで捜査を進める。
ソウルの江西(カンソ)警察署は4日、広告会社員に水の入ったコップを投げつけたとして暴行と業務妨害の疑いで調べていた会長の次女、趙顕旼(チョヒョンミン)・大韓航空前専務(34)の逮捕状を請求。検察当局は請求を棄却した。
趙前専務は1日、同署の事情聴取に対し、「飲料水の入った紙コップを手の甲で押しのけたところ、中身が飛び散って被害者にかかった」「被害者が質問に答えないので、無視されたと思い、ガラスのコップを人がいない右45度の方向にあった壁に投げつけた」などと答えた。
しかし同署は「被疑者や参考人の陳述などを総合すると、犯罪の事実が認められる」と指摘。証拠隠滅の恐れがあるとして逮捕状を請求したという。(ソウル=牧野愛博)