川崎市川崎区港町の多摩川河川敷で中学1年の上村遼太君(13)の遺体が見つかった事件で、上村君が今年1月、殺人容疑で逮捕された3人のうち18歳の少年から「生意気だ」と言われ、激しい暴行を受けていたことが28日、分かった。上村君と少年らを知る関係者が証言した。川崎署捜査本部は今回の事件との関連を慎重に調べている。
捜査本部は28日、3人を送検、18歳の少年の自宅を家宅捜索した。事件の全容解明を急ぐ。調べに対し、少年らは容疑を否認しているという。
関係者の証言によると、上村君とグループリーダー格の18歳の少年は、ゲームセンターなどで一緒に遊ぶ姿がたびたび目撃されていたが、上村君が「(少年と)遊びたくない」と周囲に漏らしていたことが少年に伝わったという。
1月中旬の夜、上村君は少年から激しい暴行を受け、顔が大きく腫れ上がったという。上村君はこの暴行をきっかけに、少年のグループから「抜けたい」と漏らすようになった。関係者によると、上村君がこの暴行について別の先輩らに相談したことから、少年が上村君を恨み始めたという。
3人の逮捕容疑は20日午前2時ごろ、川崎市の多摩川河川敷で、上村君の首などを刃物様のもので突き刺すなどして出血性ショックにより殺害した疑い。
捜査本部によると、首の後ろから横に刃物による切り傷や刺し傷が集中し、顔や腕にも切り傷があった。複数のあざもあり、執拗に暴行された上で殺害されたとみられる。複数の刃物が使われた疑いもある。
遺体は着衣がなく、靴も履いていなかった。現場近くの公園トイレでは死亡推定時刻の約1時間後にぼやが発生。衣服の燃えかすが見つかり、焼け焦げた靴底はメーカーが上村君が履いていた靴と一致した。〔共同〕