【シリコンバレー=兼松雄一郎】世界のスマートフォン(スマホ)市場で韓国サムスン電子と米アップルの2強の競争が激しさを増している。米調査会社ガートナーは3日、2014年10~12月期のスマホ販売台数シェアでアップルがサムスンを抜き首位に立ったと発表した。アップルの首位は11年4~6月期以来3年半ぶり。ただ米IDCの同時期の出荷台数シェアでは、アップルが肉薄したもののサムスンが首位を守っている。
ガートナーによると、スマホの大画面版の新モデル「iPhone(アイフォーン)6」の販売が好調なアップルのシェアは前年同期を2.6ポイント上回る20.4%となった。一方、サムスンは中国での販売不振が響き、シェアを10ポイント近く落とし19.9%となった。
これに対しIDCが1月末に発表した世界出荷台数シェアの調査では、アップルが19.85%の2位。サムスンが20.01%で首位を守っていた。
世界のスマホ市場は、サムスンが新興国開拓で先行し両社の差は一時開いたが、中国市場での明暗により再び接戦を演じる格好となった。両調査とも3~5位までは米グーグルからモトローラを買収してシェアを積み上げたレノボ・グループ、華為技術(ファーウェイ)、小米(シャオミ)の中国勢が続く構造は変わらなかった。
IDCとガートナーでシェアに差が出るのは「出荷」と「販売」で調査対象が異なるため。今回の発表ではサムスンの出荷数は7510万台、販売数は7303万台だった。販売が確定した数値を集計するガートナーの方が公表時期も遅い。出荷ベースは販売ベースに比べ、販売動向の先行きを示す半面、在庫になる可能性もある。