財団法人「日米地域間交流推進協会」(東京・中央)の保有する有価証券を無断で売却し約1億4千万円を着服したとして、警視庁捜査2課は4日、前理事長の甫守敦容疑者(61)=東京都北区中十条2=と前事務局長の佐藤城容疑者(37)=中央区日本橋浜町2=を業務上横領の疑いで逮捕した。同課によると2人は容疑を否認している。
逮捕容疑は2011年8月、協会が保有する投資有価証券を理事会の承認を得ずに売却し、代金約1億4千万円を自分たちが管理する口座に送金し着服した疑い。同課によると、資金は佐藤容疑者が経営する会社の運転資金や借金返済などに充てられていたという。
同課などによると、協会は1986年に日米の青少年交流を進める目的で設立。甫守、佐藤両容疑者は11年に理事長と事務局長に就任した。12年に退任した後に資産関連資料の提出を拒んだことから不正が発覚し、協会が告訴していた。現在の理事長は愛知和男・元防衛庁長官が務めている。