【ＮＱＮニューヨーク＝神能淳志】６日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅反落した。終値は前日比278ドル94セント（1.5％）安の１万7856ドル78セントとなり、２月９日以来およそ１カ月ぶりの安値を付けた。米雇用情勢が改善し、米利上げが本格的に意識された。将来的な企業業績への警戒感から米株式相場には目先の利益を確定する売りが膨らんだ。

米労働省が６日発表した２月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月から29万5000人増えた。市場予想（24万人程度の増加）を大きく上回ったほか、失業率も前月から0.2ポイント低い5.5％に低下。市場では米雇用環境の改善を受けて、米連邦準備理事会（ＦＲＢ）が利上げに動きやすくなったとの観測が広がった。

早期の米利上げ観測を背景に米長期金利/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3E5E4E1E0E2E3E4E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NXが大きく上昇。外国為替市場では円やユーロ/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3E5EBE7E5E2E3E4E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NXなどの主要通貨に対するドル高が進んだことも、米企業の業績を圧迫するとの見方につながった。取引終了にかけては米株式の売りが加速し、ダウ平均の下げ幅は310ドルに達する場面があった。

ハイテク株の比率が高いナスダック/dx/async/async.do/ae=P_LK_ILTERM;g=96958A90889DE2E6E3EBE2EAE2E2E3E5E2E1E0E2E3E29BE0E2E2E2E2;dv=pc;sv=NX総合株価指数も大きく反落し、前日比55.439ポイント（1.1％）安の4927.370で終えた。

業種別Ｓ＆Ｐ500種株価指数は全10業種が下落した。「公益事業」の下落率が最も大きかったほか、「生活必需品」や「ヘルスケア」「エネルギー」なども下げた。

個別銘柄では、18日の取引終了後にダウ平均への採用が決まったアップルが上昇する半面、除外される通信のＡＴ＆Ｔには売りが優勢だった。医薬・日用品大手のジョンソン・エンド・ジョンソンや日用品のプロクター・アンド・ギャンブル（Ｐ＆Ｇ）などダウ平均に採用されている30銘柄は全て下げた。