10日午前の東京外国為替市場で、円相場は4日続落して始まった後、下げ渋っている。10時時点は1ドル=121円41~44銭近辺と前日17時時点に比べ54銭の円安・ドル高で推移している。
早朝は、円売り・ドル買いが先行した。米国の早期の利上げ観測を受け、日米の金融政策の方向性の違いから円を売り・ドルを買う動きが優勢だった前日の海外市場の流れを引き継いだ。日経平均株価が反発して取引が始まったことも、投資家心理の改善につながった。8時30分すぎに、一時1ドル=121円62銭近辺を付け、2014年12月8日以来、約3カ月ぶりの円安・ドル高水準を付ける場面があった。
しかし、その後は次第に底堅い展開となった。「下値をうかがう雰囲気に変わりはないが、一段と円売り・ドル買いを進めるには材料難」(国内証券)。朝方に3カ月ぶりの円安・ドル高水準をつけたことで「ひとまず利益確定を目的とした円買い・ドル売りも入り、円の下値を堅くした」(同)との観測があった。
10時前の中値決済にかけては、事業会社の決済が集まりやすい5.10日(ごとおび)にあたるが、「実需筋の注文は想定したほど活発ではなかった」(国内銀行)という。ドルの需給に「過不足はなかった」(同)との観測が出ていた。
円は対ユーロで反落して始まった後、もみ合い。10時時点では1ユーロ=131円52~56銭近辺と同20銭の円安・ユーロ高で推移している。円が対ドルで下げ渋ったことから、円の対ユーロ相場もやや底堅くなった。
ユーロは対ドルで5日続落して始まった後、下げ幅を拡大した。10時時点では1ユーロ=1.0832~35ドル近辺と同0.0032ドルのユーロ安・ドル高で推移している。〔日経QUICKニュース(NQN)〕