金融庁は10日、少額投資非課税制度(NISA)の利用状況を発表した。2014年末時点の投資総額は2兆9797億円で半年間で90%増えたものの、口座開設数は824万で同年6月末から13%増にとどまった。口座開設は一巡しつつある状況とみられ、今後は利用促進策が課題になる。
NISAは20歳以上の国内居住者を対象に、年100万円までの投資で生じる売却益や配当を非課税にする仕組み。14年1月に始まり、1年間で利用対象者の約8%の人が口座を開設した。金融庁は「初年度では十分な実績」(同庁幹部)とみている。
口座数は6月末に727万だった。増加率は鈍っており、証券会社や銀行の既存顧客の囲い込みが一服したとみられる。
口座開設した人のうち、実際に投資した割合は明らかになっていないが、日本証券業協会が主要証券会社10社を対象にした調査によると、口座稼働率は全体の45%だった。給与から天引きして積み立てる仕組みの普及など、利用を促すための取り組みが金融機関に求められそうだ。