日銀が11日発表した2月の国内企業物価指数(速報値)は、消費増税の影響を除くベースで前年同月を2.3%下回った。前年を下回るのは4カ月連続だが、原油安が一服してきたため、下げ幅は前月より縮小した。
企業物価指数は出荷や卸売り段階で企業間で取引する製品の価格水準を示す。増税の影響を含めると、2月は前年比で0.5%上昇した。伸び率は前回(0.3%)から小幅に拡大した。
2月は原油価格の下落が一服し、ガソリンや灯油の価格が上昇した。米国西海岸の港湾での労使対立で供給が減った豚肉など農林水産物の価格も上昇した。ただ銅地金など他の国際商品の市況が弱含んだことや、中国の化学製品の需要減などで、価格が前年に比べて下落した品目数は、上昇した品目数を2カ月連続で上回った。
企業物価の先行きについて日銀は「価格の上昇・下落要因が綱引きをし、今後の動きは読みにくい」(調査統計局)と指摘している。