非常に強いサイクロンに襲われた南太平洋の島国バヌアツのロンズデール大統領は16日までに「バヌアツは災害に慣れているが、(今回は)かつてない被害が起きているようだ」との声明を出した。仙台市で開催中の国連防災世界会議のウェブサイトに掲載した。大統領は同会議に出席中。
大統領は声明で、首都ポートビラでは多数の住民が家を失い、豪雨によって深刻な洪水も起きていると説明。被害の全容は不明としながらも、過去の経験から学校や医療施設、道路や電気・ガスなどのインフラへの被害が予想されるとしている。
大統領はバヌアツが毎年、災害のため国内総生産(GDP)の6%を失っているとした上で「今回のサイクロンはわが国の開発にとって大きな後退となる。観光や農業、製造業を含むあらゆる経済活動に深刻な打撃を及ぼすだろう」と述べた。
また、バヌアツは火山や地震、海岸浸食、海面上昇といった脅威にさらされていると指摘し、仙台市での防災会議で「強力な(防災の)新枠組み」が採択されることに強い期待感を表明した。
〔共同〕