2015年の春季労使交渉で18日、主要企業がベースアップ(ベア)に相当する賃金改善を打ち出したことについて、経団連の榊原定征会長は「各企業は相当思い切った対応をし、収益を従業員に適切に還元し消費を拡大するという姿勢を明確にした」と評価した。ただ「(来年以降)自動的なベアには当然ならない」とし、ベア実施の固定化にはクギを刺した。
榊原会長は「経済の好循環の2巡目を力強く回す大きな力になる」としたうえで、「集中回答をみる限り、2%超だった前年実績を上回りベアと定期昇給をあわせて3%近い数字になるだろう」との見方を示した。
日本商工会議所の三村明夫会頭は「中小企業の交渉はこれからだが、大企業の賃上げの波及効果は大きいはずだ」と期待感を表した。連合の古賀伸明会長も「非正規労働者の賃上げ回答もあり、格差是正の環境整備ができた」と評価。「中小企業は多少無理をしても賃金を上げてほしい。それが地域の個人消費を押し上げ景気回復の起点になる」とコメントした。