【イスタンブール=佐野彰洋】ギリシャのバルファキス財務相は5日、ワシントンの国際通貨基金(IMF)本部を訪れ、ラガルド専務理事と会談した。バルファキス氏は9日に迫るIMFへの約4.5億ユーロ(約590億円)の債務返済を確約した。ラガルド氏は「(返済の)確認を歓迎する」と応じた。
会談終了後、ラガルド氏は「全員の利益のための効果的な協力で合意した」との声明を発表した。ギリシャがIMF、欧州連合(EU)、欧州中央銀行(ECB)で構成する債権団に提出した新たな財政改革案を巡っても協議した。
会談は非公式で、ギリシャ側の要望によって実現。日曜日の夜という変則的なスケジュールで行われた。バルファキス氏は6日には米財務省高官とも会談する予定だ。
金融支援が凍結され、税収の落ち込みにも直面するギリシャは綱渡りの財政運営が続く。
債権団は1日にギリシャが提出した徴税強化を柱とする改革案について、直ちに支援継続を決める水準に達していないと判断。改革案合意前のつなぎ融資要請を拒否している。
その後、ギリシャがIMFへの返済よりも自国の公務員給与や年金支払いを優先させるとの観測が広がり、同国政府が期限通りの支払いを繰り返し表明する事態となっていた。