新商品の清涼飲料が相次いで発売直後に出荷停止になったことを受けて、サントリー食品インターナショナルは17日に東京都内で開いた記者会見で「需要予測を見誤った」と説明した。現時点で出荷再開のメドは立っていないとし、「(需要が高まる)夏場前の再開に向けて全力で対処する」(食品事業本部長の小郷三朗副社長)と話した。
同社は17日、14日に発売したフレーバーウオーター「南アルプスの天然水&ヨーグリーナ」の出荷を停止すると発表。2日にも同様の理由で「レモンジーナ」の出荷を停止したばかりだ。
「南アルプスの天然水&ヨーグリーナ」については月間120万ケースの需要を想定して生産体制などを整えていたが、現時点では月間190万ケースの水準の発注が来ているという。出荷を一時停止し生産体制を整えることを優先するという。同社によると「今週末の注文にも応えられない状況にある」といい、品不足を演出して需要を喚起する戦略ではないかとの指摘については否定した。
サントリBFは当面の対策として、天然水南アルプス白州工場(山梨県北杜市)の増強ラインを5月に本格稼働させ、「レモンジーナ」も欧州からの原料調達を増やすなどして出荷再開を目指す。
需要を読み誤った背景として、「インターネットによる情報の拡散で一気に新商品の知名度が発売前に高まることを予測の中に織り込むことができていなかった」(小郷副社長)という。ミネラルウオーターに風味をつけたフレーバーウオーターの市場が急速に拡大していることや、消費増税後の個人消費の動向など、「これまでの経験則での需要予測では対応できない状況にある」(小郷副社長)という。同社は需要予測の方法から組織体制まで根本的に見直す方針だ。〔日経QUICKニュース(NQN)〕