広島空港で着陸に失敗したアシアナ航空機は、着陸直前に接触した滑走路東側にある計器着陸装置(ILS)のアンテナの部品が主脚の車輪に絡まり、タイヤが回転せずにコントロールを失ったまま滑走していた可能性があることが17日、分かった。
事故を起こしたアシアナ航空機を調べる航空事故調査官とフランス航空事故調査局のメンバーら(17日、広島空港)=共同
運輸安全委員会の航空事故調査官は、車輪にブレーキがかかった状態で機体が真っすぐ進まず、滑走路を外れたとの見方を示し、当時の詳しい状況を調べている。
事故当時、空港周辺は小雨が降っており、機体から脱出してターミナルビルへ向かった乗客は「滑走路がぬれていた」と証言。路面が滑りやすくなっていた可能性もある。
アシアナ機は事故直前、着陸態勢に入っていたため車輪を出した状態で、滑走路手前に設置されたILSのアンテナに接触。そのまま着地し、中ほどの南側の草地で反転して止まった。
主脚の車輪の軸には、オレンジ色の棒状の部品が巻き付き、二輪のタイヤのうち1つはひしゃげて、パンクしたような状態になっている。
運輸安全委は機体製造元のエアバス(本社フランス)関係者とフランス航空事故調査局(BEA)のメンバーとともに機体を調査した。〔共同〕