出光興産は21日、2015年3月期連結決算の最終損益が1380億円の赤字(前の期は362億円の黒字)になったと発表した。原油価格の下落に伴い、英領北海油田の一部の鉱区で追加の減損損失を計上したためだ。従来の計画(980億円の赤字)よりも赤字幅が膨らむ。
減損の対象としたのは英領北海鉱区の一部で、約392億円を計上した。英領北海では14年10~12月期連結決算でも66億円の減損処理を実施した。15年1~3月にかけて原油価格が一時1バレル40ドル台まで下がるなどして採算ラインを割り込み、一部鉱区では開発を進めるのは難しいと判断。事業を凍結する。共同で開発している事業パートナーは明らかにしていない。
英領北海は出光の主力油田のひとつで、07年から複数回に分けて鉱区を取得した。カナダ石油大手タリスマン・エナジーなど欧米の資源大手との共同出資で関わっているところが多く、日量5000バレルと出光全体の約16%の原油を生産している。開発を凍結した鉱区以外では今後も生産は継続するという。
15年3月期の連結売上高は前の期比8%減の4兆6300億円と従来見通しから900億円増える。経常損益は1080億円の赤字(前の期は819億円の黒字)と計画比で140億円改善する見通し。原油安によってガソリンなど燃料油の販売価格が下がり、販売が伸びたためとしている。