【上海=土居倫之】英金融大手HSBCが23日発表した中国の4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は49.2となり、3月確報値(49.6)より0.4ポイント低下した。昨年4月以来1年ぶりの低水準で、好不況の判断の境目となる50を2カ月連続で下回った。
中国の1~3月の実質国内総生産(GDP)成長率は7.0%と6年ぶりの低い水準となった。住宅販売の不振が景気全体の足を引っ張っており、3月の工業生産は前年同月比5.6%増にとどまった。企業間の取引価格である卸売物価指数の低下が止まらず、デフレに対する警戒感も浮上している。
HSBCと共同で調査した英マークイットのアナベル・フィデス・エコノミストは「価格低下による強いデフレ圧力を通じて相対的に弱い需要環境が浮き彫りになっている」とコメントしている。調査は13~21日に行った。