首相官邸の屋上で小型の無人飛行機(ドローン)が見つかった事件で、警視庁公安部は25日、福井県警に出頭してきた無職、山本泰雄容疑者(40)=福井県小浜市青井=を威力業務妨害容疑で逮捕した。公安部は「現段階で共犯者や組織性をうかがわせるものはない」とし、単独の犯行とみている。
移送のため車に乗せられる山本容疑者(右)(25日午前、福井県警小浜署)=共同
公安部は山本容疑者を警視庁麹町署に移送するとともに、自宅などを家宅捜索した。公安部によると、山本容疑者は24日夜に出頭した後に容疑を認め、「反原発のためにやった」「4月9日に飛ばした」などと話した。ただ25日の逮捕時は無言だったという。
逮捕容疑は3月22日から4月22日までの間に、放射能マークが印刷されたシールを貼った容器などを搭載したドローンを官邸屋上に放置し、官邸事務所の業務を妨害した疑い。
公安部によると、山本容疑者は「4月9日午前3時半ごろドローンを飛ばした」と供述。「昨年12月にも官邸にドローンを持っていったが(飛ばすのを)やめた」と説明しているという。
官邸で見つかったドローンに搭載されていたプラスチック製容器には100グラム程度の砂のようなものが入っていた。山本容疑者は「福島の砂をプラスチック容器に入れた」と話している。
山本容疑者は24日夜、福井県警小浜署に1人で出頭。砂やドローンのコントローラーのようなものを持参していた。