【ハノーバー(独北部)=加藤貴行】欧州航空大手の独ルフトハンザが5日発表した2015年1~3月期決算は、最終損益が4億2500万ユーロ(約580億円)の黒字だった。前年同期は2億5200万ユーロの赤字。米航空会社の新株予約権付社債(転換社債=CB)の売却による約5億ユーロの特別利益が効いた。また3月下旬に起きた子会社機墜落の業績への影響はなく、戦略も変更しないとした。
売上高は前年同期比8%増の69億7300万ユーロ。貨物部門や傘下の航空スイスが好調だった。営業損益は1億3300万ユーロの赤字と前年同期から7600万ユーロ赤字幅が縮小した。3月中旬のストライキが4200万ユーロの損失だったが、原油安が追い風になった。
シモーネ・マンネ最高財務責任者(CFO)は同日の電話会見で、傘下の格安航空会社(LCC)ジャーマンウイングスの墜落による業績への影響はみられないと説明。従来のLCCの拡大・強化について「戦略に変更はない」と述べた。
カルステン・シュポア社長も4月29日の株主総会で、グループの安全対策の徹底を強調する一方、自らが就任後に打ち出したLCC戦略は続ける方針を示している。