東海大相模―横浜 三回裏横浜1死、増田が左翼席へ勝ち越しのソロ本塁打を放つ。捕手山田翔=横浜、大賀章好撮影
(29日、高校野球神奈川大会 横浜9―3東海大相模)
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宿敵を強打で圧倒した。神奈川大会決勝は横浜が東海大相模に9―3で勝利。横浜スタジアムに3本のアーチをかけ、2年連続17回目の夏の甲子園を決めた。
4番のメモリアルな一発が号砲だった。同点の三回1死、増田珠(しゅう、3年)が左翼席中段にたたき込む。「来ると思った」という初球の直球を狙い澄まし、豪快なスイングで運んだ。
5回戦の藤沢翔陵戦から4戦連発となる本塁打は、神奈川大会の最多記録を更新。さらに今大会5本目となる本塁打で、2008年の大田泰示(東海大相模・現日本ハム)が持つ大会最多記録に並んだ。
「偉大な選手なので、自分はまだまだ。少しでも近づけるように頑張りたい」と増田。長崎・淵中から強豪・横浜の門をたたき、主軸に成長した。「長崎から出てきて、神奈川の高校野球に名前を刻めたことはうれしい」と声を弾ませた。
この一発を含め、増田は4打数4安打3打点。平田徹監督が「増田はスター性がある。野球少年のように、野球を楽しむのが彼のスタイル」と評するように、決勝の大舞台でも笑顔が絶えなかった。緊張は無縁。観客の声援にバンザイしたり、小躍りするようなジャンプで応えたり。昨年のエース藤平尚真(楽天)からもらった「声と笑顔でチームを救え」という言葉を帽子のつばに書き、その通りに甲子園へ導いた。
増田の特大アーチが呼び水となり、この後は市村拓巳(3年)が2ラン、七回には山崎拳登(2年)も3ラン。今大会はチーム通算で14本塁打となり、これも大会最多記録(16年の横浜)に並んだ。平田監督は「思い切りバットが振れている。甲子園でも続けてほしい」と話した。(波戸健一)