【モンロビア=共同】世界保健機関(WHO)は9日、西アフリカのリベリアでのエボラ出血熱の流行が終息したと宣言した。最後の感染者報告から、WHOが定めた最長潜伏期間の2倍に当たる42日が経過した。大規模な流行が起き計1万1千人以上が死亡した西アフリカの3カ国で、終息宣言が出るのは初めて。
リベリアでは昨年3月にエボラ熱感染者が確認された。WHOによると、死者は国別で最多の4716人、感染者は1万564人に上った。一時期、死者が急増したことで対策が浸透し、他の2カ国より早く感染者ゼロを達成した。
流行が続くギニアとシエラレオネでも今月3日までの1週間で、新規感染者はそれぞれ9人にとどまり、終息の兆しが見えている。
一方、感染から回復した患者や感染者の家族に対する差別は根強く残っている。エボラ熱で両親を失った子どもは西アフリカ3カ国で約3600人に上り、社会は大きな打撃を受けた。
3カ国で500人以上の医療従事者が犠牲となり、もともと脆弱だった医療体制への影響は深刻で、流行で停滞した経済とともに立て直しが課題となっている。