カネボウ化粧品(東京)の美白化粧品を使い肌がまだらに白くなった白斑症状問題で、日本皮膚科学会の特別委員会(委員長・松永佳世子藤田保健衛生大教授)は14日までに、白斑が続いている人には患部に紫外線をあてる治療法を推奨するとの調査結果をまとめた。
横浜市で31日に開かれる市民公開講座で詳しい内容を発表する。
特別委は昨年12月~今年3月、白斑患者を診療している医師を通じて3度目の全国調査を実施。約千人の症例で治療法や経過についてアンケートをしたところ、紫外線療法を行った症例の半数以上で有効だったとの回答があり、「治療効果がある」と答えた割合が最も高かった。
他の治療法では、外用剤のタクロリムス、ステロイド、ビタミンD3の順で効果があった。
紫外線療法は、患部に紫外線を照射することでリンパ球を弱めて炎症を鎮め、色素細胞を作り出す手助けをする。照射する機器を備えた施設が限られていることなどから、実施例は多くはない。
特別委の調査では、白斑の症状が出た人は美白化粧品の使用を中止することで症状が改善した人が多かった。自然治癒しなかった人や回復が止まった人に、紫外線療法が有効である可能性があるという。
カネボウは白斑問題を受け2013年7月から、美白成分「ロドデノール」が配合された製品を自主回収した。同社によると、今年4月末までに白斑症状が確認されたのは1万9482人で、うち完治またはほぼ回復したのは1万957人。〔共同〕