横浜市戸塚区の自宅で、母親(50)と祖母(81)を刺殺したとして殺人容疑で高校1年の男子生徒(15)が逮捕された事件で、生徒が「制服を着たまま2人を刺した」と話していることが19日、神奈川県警戸塚署への取材で分かった。同署は登校前、衝動的に殺害した可能性があるとみて調べている。
司法解剖の結果、2人とも胸や背中を刺されたことによる失血死と判明。遺体の10カ所前後に刺し傷や切り傷があった。心臓まで達した傷もあり、同署は生徒が強い殺意を持って2人を刺したとみて捜査している。生徒は取り調べには淡々と応じているという。
生徒は事件の約5時間後、最寄りの交番に包丁を持って自首した。「学校や勉強のことで注意され、かっとなった」と供述している。周囲の話からは生徒が2人から期待される一方、家族旅行では生徒が留守番するなど、すれ違う様子が垣間見られた。
祖母について、知り合いの女性(79)は「孫に対して期待しており、教育熱心なようだった」。女性は「祖母はものをはっきり言うほうで、『家族で毎年旅行に行っていたが、孫は留守番をしていた』と話していた」と明かした。
生徒は4月から別の市にある高校に進学した。中学時代に所属していた柔道部の後輩(14)は「テレビを消されたなど、細かいことで母親とはいつもけんかをしているようだった」とする一方、「母親は試合や練習を見に来ていた」と話した。〔共同〕