維新の党は19日、両院議員総会を開き、辞任した江田憲司代表の後任に松野頼久幹事長を選出した。松野氏は党運営の要となる幹事長に柿沢未途政調会長を指名した。馬場伸幸国会対策委員長は続投する方向だ。大阪都構想の住民投票の否決や、それに伴う橋下徹大阪市長(党最高顧問)の政界引退表明などで揺れる党内の体制立て直しを急ぐ。
維新の党の両院議員総会で新代表に選出され、江田前代表(右)と握手する松野頼久氏(19日午後、国会内)
議員総会では松野氏以外を推す声はなく、全会一致で松野氏を選出した。松野氏は総会で「わが党にとって危機的な状況で一刻も早く事態を収拾して体制を大至急立て直さなければいけない」と訴えた。20日に開く党首討論に出席し、安倍晋三首相との論戦に挑む。
就任後の記者会見では、民主党を含めた野党の再編に関しては「現段階では我々の党がしっかり新しい体制で根付くのが先決だ」と指摘。その上で「しかるべき時期に再編をやる時期がくる。そのときには、しっかり結集できるように準備したい」と述べ、来夏の参院選をにらんだ野党再編への意欲を示した。
維新は憲法改正や安全保障法制で自民党と立場が近く、安倍政権が協力を期待していた。これに関し、松野氏は「今までどおり是々非々だ。何でも反対の野党を作るつもりはない」と述べた。今国会での安保関連法案の審議では「国会を重視し、充実した審議を求めたい」と述べ、徹底審議を求めていく姿勢を示した。
松野氏の任期は江田氏の残任期間の今年9月末まで。9月に代表選を改めて実施する。
松野氏は民主党出身で、2000年の衆院選で初当選。09年、鳩山由紀夫政権で官房副長官を務めた。12年に日本維新の会の創設に参加。14年の衆院選で比例九州で6期目の当選を果たした。