西武ホールディングス(HD)の筆頭株主の米投資会社サーベラスが保有株の売却を始めたことが21日わかった。保有する約35%のうち約10%にあたる3375万株を、証券会社を通じて複数の投資家に売る。売却額は約1100億円に上る。有価証券報告書の虚偽記載で上場廃止となった旧西武鉄道の再建の過程で2006年に出資した。約10年たって西武HDが再上場したのを機に、投資資金を回収する。
西武HDは昨年4月、約10年ぶりに東証1部に再上場し、初値は1600円だった。リストラ効果やホテル事業の好調で15年3月期に経常最高益を更新。直近の株価は3300円だ。サーベラスの出資額は1株当たり1000円強で、売却して十分な利益を得られると判断したようだ。
モルガン・スタンレーMUFG証券が同日、西武HD株を10%取得して「直ちに転売する」と発表している。同証券は、株価への影響を抑えるため、複数の投資家に相対取引でまとまった株数を売却するとみられる。今後、残る25%分も売却される可能性がある。