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国際サッカー連盟(FIFA)は長らく、その主要幹部にしつこく付きまとう贈収賄の疑惑を軽くはねのけて、処罰されることはないという感覚を抱きながら運営してきた。しかし27日早朝、「組織的な根深い汚職の横行」でこの世界的なサッカーの統治組織の摘発を米国の検察官が明らかにしたことから、その特権はついに破裂した。
FIFA役員が宿泊する高級ホテルに詰めかけた報道陣(27日、チューリヒ)=共同 各国政府がFIFAの不透明な意思決定に対して何年も消極的な目を向けてきた後、米司法省が行動に出た。同省の要請を受けたこの明け方の家宅捜索で、チューリヒの司法当局はFIFAの副会長2人を含む7人を逮捕した。これまでおとなしかったスイス当局でさえ、長らく詳細な調査が求められていた2018年と22年のワールドカップ(W杯)開催地の決定について、刑事手続きを始めている。 長年FIFAの会長を務めるブラッター氏は、例のごとく続投の意志を固めているらしく、29日の会長選での再選を目指して立候補している。しかし、会長選はFIFAにとってはいつも通りの仕事にはならない。今週の出来事は、世界のサッカー競技の運営を改革するための促進剤となるはずだ。 年次総会の前日に辱めを受けなければならなかった運命に、FIFAは十分に値する。数十年の間、FIFAは改革に対して無責任で鈍感だった。去年のブラジル大会を含め、W杯の度に数十億ドルもの収益を得て、FIFAの最高幹部や全世界の200の国内サッカー協会に分配してきた。各国のサッカー協会は、第三者委員の監督を受けることのないFIFAの最高幹部を共同で選任する。不正には打ってつけのシステムだ。 積み上がる贈収賄の証拠を前に、ブラッター氏とFIFAは改革路線を選ぶこともできた。しかし、いたるところで最高幹部の贈収賄のスキャンダルの調査を拒み、14年には、米国の弁護士、マイケル・ガルシア氏によるW杯の招致活動についての調査報告をもみ消した。自浄作用が全く機能しない中、米司法省が摘発に着手したのは称賛されるべきことだ。 ブラッター氏はもっと前に会長を辞任すべきだった。逮捕者が出る前でさえ、同氏に5度目のかじ取りを任せるという考えは好ましくなかった。しかし、司法当局の家宅捜索を受け、問題の中心は、同氏の去就ではなく、FIFAの利害関係者がそのガバナンスの全面見直しを迫るかどうかに移っている。 ■スポンサー、断固とした態度が必要 変化を求めるべきグループの一つは、FIFAに数十億ドルもの資金を提供する、独アディダス、米コカ・コーラ、米ビザなどの企業スポンサーだ。FIFAを取り巻く疑惑の渦に懸念を表明したスポンサーもあったが、危機に際して断固とした態度をとるのはまれだ。 スポンサーの断固とした態度は、特に、改革の必要性について語っていたミシェル・プラティニ会長率いる欧州サッカー連盟(UEFA)など、各国サッカー連盟に対応を求めるいっそうの圧力になる。各国の連盟は、司法省の調査自体が変化をもたらすと期待すべきではない。そうではなく、FIFAの徹底調査を求め、組織をたとえば各国の企業法や刑法の対象となる公開企業とするなどの対応をとるべきだ。こうした動きに抵抗があるなら、UEFAは完全にFIFAから脱退することを検討すべきだ。 世界的なサッカー競技のガバナンスは重要だ。サッカーは世界的な現象であり、政治やビジネスに影響を及ぼす数十億ドル規模の競技だ。FIFAのスキャンダルは余りにも長く続いている。組織を透明化し競技のために機能するよう全面的な見直しを行うことができなければ、試合から追放されるべきだ。 (2015年5月28日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) (c) The Financial Times Limited 2015. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation. |
[FT]FIFAの根深い不正ついに摘発(社説)
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