【アテネ=佐野彰洋】南北の分断が続く地中海キプロス島の和平交渉が28日、首都ニコシアで開かれた。双方をつなぐ検問所の増設、電力網や携帯電話ネットワークの接続で合意した。実務的な協力の推進により、相互の信頼構築につながることが期待される。AFP通信などが報じた。
トルコのみが国家承認する北キプロス・トルコ共和国で4月末、統合推進派のムスタファ・アクンジュ氏が大統領に当選し、停滞していた国連主導の和平交渉が再開していた。28日もアクンジュ大統領と、南側のキプロス共和国(ギリシャ系)のアナスタシアディス大統領が会談した。
キプロスでは1974年、ギリシャへの統合を主張する勢力がクーデターを実行。これに対して、トルコはトルコ系住民の保護を理由に北部を占領し、以後41年にわたって分断が続いている。