携帯電話の画面で注文内容を見せ、安くなったパンを買う女性(右)=東京都大田区、池田良撮影
まだ食べられるのに捨てられてしまう食品と、お得に食べたい人をつなぐ。そんな「フードシェアリング」のウェブサービスが相次いで生まれている。「食品ロス」の削減につながるのか。注目が集まる。
今月、東京都大田区の住宅街にあるパン屋「アヤパン」を訪ねた。午後3時すぎに店長の守谷彩さん(38)がスマートフォンからパンの名前と金額をサイトに入力した。この日は売れ行きが芳しくなかった焼きそばパンと、新作の粒あん抹茶クリームパンなど4種計800円分を合わせて500円で出品。午後5時すぎ、近所の会社員鈴木清未さん(39)が店へ受け取りに来た。
両者をつないだのは、ウェブサービス「TABETE」。加盟店が商品の入れ替え時や閉店間際などに出た余剰食品の価格と取引期限を掲載し、ユーザーがウェブ決済で購入して、店頭に取りに行く仕組みだ。
4月の開始を目指し、昨年9月からテスト運用を始めた。現在東京23区を中心に34店、ユーザー約2300人が登録。キャンセルになった料理やシェフ見習いが作ったピザ、形の崩れた野菜や肉の切れ端で作った料理など、正規には売れないがおいしく食べられる品々が出品されている。
守谷さんは3人の子育てをしな…