マグニチュード8.5の首都直下地震が発生して東海道新幹線が緊急停止した、という状況を想定した訓練が29日未明、新横浜駅(横浜市)であった。線路脇を通って駅ホームまで歩く避難・誘導のほか、東京―新横浜間が不通になることを見越して同駅で列車を折り返す訓練も報道陣に公開された。
訓練にはJR東海社員ら約300人が参加。最終列車の発車後、午前0時すぎから始まった。新横浜駅から名古屋側の上り線に約200メートル離れて停車した新幹線車両からはしごを降りた参加者は、線路脇の通路を通って駅まで歩いた。
営業運転中に新横浜駅で列車を折り返したケースはこれまでない。実際に折り返す際には、車内の簡単な清掃や座席の反転を乗務員が担当する。この作業を終えると、列車は下り線に移動した。
訓練は予定通りに約2時間で終了した。JR東海新幹線鉄道事業本部の古橋智久・運輸営業部部長は「新横浜駅だけでなく、他の駅でも折り返しの可能性はある。今後も訓練を積み重ねていきたい」と話した。