仏像や掛け軸などの身近な文化遺産を守ろうと、東北芸術工科大(山形市)の文化財保存修復研究センターが持ち主のための管理マニュアルを作成した。写真やイラストを使って要点を示し、専門知識を素人にも分かりやすく解説している。
文化遺産を劣化させる要因として湿度や光などを列挙し、点検から保管までの日常管理の基本を紹介。「絵馬は晴れた日に収納する」「掛け軸の絵の具が落ちそうな場合は薄紙を一緒に巻く」といったように取り扱い方やトラブル時の対処法も具体的に記載した。
担当した大山龍顕講師は「少し環境を整えて見守るだけで損傷を防ぐことができる。(マニュアルが)そのための入り口になれば」と期待する。
B5判34ページで、作品ごとに状態を管理できるチェックシートも付いている。2千部作り、図書館や研究機関に配布した。〔共同〕