財務省の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は1日、6月末の財政健全化計画のとりまとめに向けた建議(意見書)を麻生太郎財務相に提出した。財制審は2020年度までの歳出の増加を過去3年間と同じ年間0.5兆円程度に抑制すれば、基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の9.4兆円の赤字の「大宗は解消可能」と指摘した。
併せて、デフレ脱却に伴う物価上昇や金融緩和政策の出口戦略など国内金融市場の中長期的な変化を踏まえると、利払い費の増加は「財政の持続可能性に対する懸念材料」と強調。デフレ脱却後の金利上昇を見据え、経済が好調な時に歳出改革を進め、「利払い費を含めた財政収支を注視していかなければならない」とした。
政府は基礎的財政収支の赤字を20年度に黒字化する目標を掲げている。内閣府は今後5年間の名目国内総生産(GDP)が3%を上回る高い成長率で推移しても、9.4兆円の基礎的収支の赤字が残ると試算している。〔日経QUICKニュース(NQN)〕