みずほ銀行に契約金額を水増しした書類を提出し、事業資金名目で約4億5千万円をだまし取ったとして、警視庁捜査2課は3日、元同行行員で測量会社「協立測量」(破産)元役員、丸峰順市容疑者(57)と元同社役員、阿部善宏容疑者(55)ら5人を詐欺容疑で逮捕した。
捜査関係者によると、丸峰容疑者らは2009年、協立測量が取引先から業務を受注した際、契約金額を水増しした書類をみずほ銀行荻窪支店に提出。事業資金の名目で約4億5千万円の融資を受け、詐取した疑い。
丸峰容疑者は荻窪支店で勤務していたが03年に退職し、協立測量に再就職して役員を務めていた。同社から融資金は返済されず、みずほ銀が13年、約13億円を詐取されたとして詐欺容疑で警視庁に告訴していた。
民間信用調査会社などによると、協立測量は1964年設立で主に官公庁向けの測量業務をしてきた。業績悪化で12年に東京地裁で破産手続きの開始決定を受け、経営破綻した。
みずほ銀行は「退職後の行為とはいえ、元行員が詐欺容疑で逮捕されたことは誠に遺憾。警察の捜査に全面的に協力する」とのコメントを出した。