【エルマウ(ドイツ南部)=吉野直也】主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)出席中のオバマ米大統領は7日、キャメロン英首相と会談した。オバマ氏はキャメロン氏が欧州連合(EU)からの離脱を問う国民投票を実施することについて「英国がEUにとどまることを期待している」と述べ、残留を要請した。
その理由に関して英国のEU残留は「欧州だけではなく、世界に肯定的な影響を与えると考えるからだ」と指摘した。さらに英国が地球規模の問題に取り組む際に「EU内で指導力を発揮することに価値がある」と力説した。ロシアのウクライナ介入を巡っては「ロシアに圧力をかけるために米英が主導する必要がある」と強調した。
両首脳は中東の過激派組織「イスラム国」(IS)が進撃するイラクやシリアでの戦況を分析した。ISが築いたインフラ施設の破壊など長期にわたる解決策を話し合い、引き続き共闘していくことを確認した。
キャメロン氏は「米英の2国間で協議しなければならない課題は多くある。この特別な2国間関係を結ぶのは、繁栄と安全という2つのキーワードだ」と言明。そのためには「雇用の拡大と、より高い安全を求め、強い経済を実現しなければならない。貿易や気候変動への対応が欠かせない」と訴えた。