JFEホールディングスは2018年3月期までに、前期末時点で約1兆5000億円あった有利子負債を1500億円程度減らす計画だ。製鉄所のコスト削減などを通じて収益力を高めて返済原資を確保する。現在、JFEの長期債務格付けはムーディーズ・ジャパンでBaa1(トリプルBプラスに相当)。負債圧縮で12年5月以来となるシングルA相当への復帰を目指す。
5月下旬に償還期限を迎えた600億円の社債については借り換え目的の起債を見送り、手元資金で償還した。今後も金利の推移をみながら、社債と銀行からの借入金の残高を調整する。
JFEの岡田伸一副社長は「景気の急変動などに備えるため強固な財務基盤が必要」と話す。格付けが上がれば、M&A(合併・買収)などの資金需要にも機動的に対応できるとみる。
ムーディーズは12年5月、当時の円高などを背景に収益回復が見込めないとの理由で、JFEの格付けをA3(シングルAマイナスに相当)からBaa1に格下げした。